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COLUMN~コラム~

ブドウと白ワイン

【~小さな酵母の大きな働き~】

皆さん、こんばんは。井上ワイナリー広報担当の石関華子です。

 

突然ですが、皆さんはなぜブドウ果汁がワインになるか、ご存知でしょうか?

それには、「酵母」の働きが深く関係しています。

今回のコラムでは、この「酵母」についてお話ししていきたいと思います。

 

酵母とは、小さな微生物や菌類のことを総称したものです。

英語ではイースト。パンの材料としてお馴染みですよね。

酵母はワイン造りでも欠かせないものなのです。

 

ワインはブドウ果汁から造られるお酒ですが、酵母にはブドウ果汁にアルコールを発生させるという重大な役割があります。

より厳密に言うと、ブドウ果汁に含まれている糖を、酵母がアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)に分解するのです。これが、ワインの醸造過程における「アルコール発酵(主発酵)」と呼ばれるプロセスです。

このアルコール発酵のメカニズムを解明したのは、19世紀のフランス人科学者のルイ・パストゥール。科学の分野で様々な功績を残した人物です。ここまで知っていれば、相当なワイン通ですね!笑

 

酵母の働きは、これだけにとどまりません。

発酵を終えた酵母は、酒石などと共にオリとなってワインに沈殿します。

白ワインの醸造中、オリに含まれる酵母由来の旨味をワインに抽出するため、オリとワインを撹拌することがあります。この手法を「バトナージュ」といいます。

また、同じく白ワインの製法のひとつに、ワインをオリと共に数カ月間保存しておく「シュール・リー」という製法があります。こうすることで、オリの酵母の成分からワインに豊かなコクと旨味が与えられるのです。

酵母には、オリとなってもワインを美味しくするような働きがあるわけですね!

 

ところで、この世界には多種多様な酵母が生息しています。

ブドウにももともと酵母が付着しています。これを自然(野生)酵母といい、昔はこの自然酵母でワイン造りが行われていました。

現在でも自然酵母でワイン造りをする生産者も見受けられますが、多くの場合、ワイン醸造用に純粋培養された培養酵母が使用されています。

どのような酵母を選択するかは生産者の考え方次第ですが、実際、酵母の違いもワインの味に少なからず影響を及ぼすのだとか。ちょっと意外ですよね。

 

ブドウ果汁にアルコールを発生させたり、ワインに旨味を与えたり、味わいにも影響を及ぼしたり

酵母の働きは、その小さな体(?)には似つかわしくないほど、絶大なものだったのです!

 

それでは今日はこのへんで。また来週!

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