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COLUMN~コラム~

【~食べるブドウとワイン用のブドウ、どこが違うの?~】
皆さん、こんばんは。井上ワイナリー広報担当の石関華子です。
今、埼玉県の実家に帰省しています。
両親が、ブドウが大好きな孫のために巨峰を用意してくれていました。やっぱり巨峰は美味しいですよね♪
ところで、巨峰のような食べて美味しいブドウって、ワインの原料となるブドウとは、何か違いがあるのでしょうか?
今回のコラムでは、その違いについてお話したいと思います。
食用ブドウとワイン用ブドウの最もわかりやすい違いは、粒の大きさです。
食用ブドウの粒は大小様々ですが、ワイン用ブドウは概して小粒です。
大粒の食用ブドウは食べると美味しいのですが、水分量が多く、ワイン造りにはあまり向きません。ワインは小粒のブドウのほうが、凝縮感のある味わいになるのです。
では、味にも違いはあるのでしょうか?
一般的に、ワインはあまり甘くないことから、ワイン用ブドウは甘くないのでは?と思われがちです。私もそのように考えていた時期がありました。
しかし、収穫前のワイン用ブドウを食べてみたら、しっかりと甘かったのです。その糖度は意外にも食用ブドウよりも高いのだそう。ワインがあまり甘くないのは、糖が醸造の過程でアルコールに変化するからなのです。
また、ワイン用ブドウにはしっかりとした酸味も感じられます。酸は、ワインの味わいに影響を与えるのはもちろんのこと、発酵中の酵母の生育を助け、細菌から保護するという役割も担っています。
一方、食用ブドウにはあまり酸っぱさは感じられませんが、その分甘味が強く感じられるそうです。
食用ブドウとワイン用ブドウの違いは他にもあります。
種の量もその一つ。最近の食用ブドウって、ほとんど種が無いですよね。
逆に、ワイン用ブドウには種が多く含まれます。ですが、種は赤ワイン特有の渋みの元となり、ワイン造りには欠かせません。さらに、様々な健康効果のあるポリフェノールも、主に種から抽出されています。
また、食用ブドウに比べ、ワイン用ブドウは皮が分厚くなっています。皮にはワインに色を付ける色素だけでなく、香味成分も含まれているので、やはりワイン造りの要となるわけですね。
このように、同じブドウであっても、食用とワイン用では、用途に合わせて特徴がまったく異なるのです。
この季節、両方のブドウからの恩恵を存分に味わいたいですね!
それでは今日はこのへんで。また来週!